俺様バカとウサギ男

13/20
前へ
/83ページ
次へ
「お前、馬鹿だろ。そんなに風邪引きたいのか。早く車に乗れ」 「・・・はい?」 「夜道をひとりで帰すわけないだろ、そんな薄着で。ったく馬鹿なヤツだな」 不機嫌な顔でギロリと睨む先輩に、ポカンと開いたままの口がムグッとへの字に曲がる。 「ちょっ、そんなにバカバカ言わないでよッ!」 「い━━から早く乗れって。寒いンだよっ馬鹿っ」 「あぁぁッ、マジムカつく! そこまで言うなら送らせてやるわよッ!!」 何故こーなるかなッ! すぐそこまでとは云え、確かに寒いわよ。送ってくれるのは有難いわよッ。 でも、その俺様発言はどーかと思う。 これも先輩なりの優しさかもしれないけど腹が立つ! 少しばかり自分に酔ってたけどさ、この数分間私なりに真剣に考えてたのよ! あぁぁぁッもうッやめやめ!!やっぱり私には向かないんだよ色恋話なんてさ! 俺様バカに振り回されちゃって。あのプロポーズは"勢いと流れ"だったんだよッ!
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

168人が本棚に入れています
本棚に追加