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「はっはっは。見ての通り、これからはご近所さんになるんだよなぁ俺達。ご近所付き合いは大切だぞぉ」
「はぁ?!ご近…ッ?!どわあぁぁぁぁぁぁッ!?痛ッ痛いっ!」
頭を撫でてた掌は、私のセリフをスルーした先輩からそぉ~っと逃げようとした瞬間、鷲掴みに変わりグググー!っと、まさかのアイアンクローを噛ましやがった!
「おぉ悪ぃ悪ぃ。つい力が入ってたわ♪」
パッ!と両手を軽く上げヘラッと緩く笑う先輩を、頭を抱え睨み上げた私。
マジで痛かったっつーのッ!
「……否さぁ、俺が勝手にやってた事とは云え……ナンか面白くねぇよなぁ~……」
「……何がよ?」
「あンな、……俺が外堀埋めて『やっぱり陽葵が好きだから結婚してくれ』って説得しても、お前に信じてもらえない事は百も承知なの」
無くした信頼を取り戻すのは簡単じゃないもんな。と自嘲した笑みを溢した。
「……だからさ、この営業所を作ったわけ。利益と私情の半々で。
……私情ってのは、出来るだけ陽葵の近くにいて、また俺を好きになってもらえるようにさ、頑張るつもりだったわけよ」
地元から陽葵に会いに来るには時間が足らないし、お前はすぐ逃げるからな。と笑うけど、ちょっと待って。
まさかソレだけでここに営業所を……?
は?それだけ本気だったって事?ずっと会ってなかったのに?
さっきだって、私をからかってたじゃない……
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