白い森

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「あなたは化け物なんかじゃない。とても優しい心の持ち主だわ。出会ったばかりだけどその優しさを私はよく知ってる。…あなたの一族や生まれなんて関係ない。あなただから…、好きになったの。ねえ、ディラン。あなたは?あなたは私の事をどう思っているの?」 「…ずっと、俺には資格がないと思ってた。薄汚れた俺には触れられることは許されないと。…でも、本当はずっとこうしていたいと願ってた。」 ディランはリディアを腕の中に抱き締めてくれる。 「狼を助けてくれた時から気になって…、それから、いつしかお前を目で追うようになっていた…。ずっと、ずっと好きだった…。」 「ディラン…!」 リディアは破顔して彼の首に腕を回した。 「お前を母上には渡さない。母上に逆らった俺はもう一族の元には戻れない。リディア、俺と一緒に来てくれるか?」 「ええ!勿論。」 「リディア…。俺の俺だけの白い花嫁に…、なってくれるか?」 リディアは頷き、ディランの手をとった。それから、二人は手を取り合い、白い森から姿を消した。その後の行方は誰にも分からない。
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