全世界BL計画

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 「淫魔術を用いた今回の『感染型魔術』には、二つの感染経路がある。一つは、単純な接触。もう一つは粘膜同士の接触だ。前者の肌が触れ合う程度の接触なら、感染力は低い。けれど、それでも回数を重ねれば、感染してしまう。後者の粘膜同士の場合は一発でアウト。即座に同性愛者に変貌さ」  つまりは、空気感染はしないが、極端に感染力の強いウィルスのような性質を持つということか。  リコの説明に、祐真は少し不安になる。  「さっき古里に触られてしまったけど……」  制服の中の蝙蝠は答えた。  「心配ないよ。一度や二度の接触なら簡単に感染はしないさ。でも体には残るから、蓄積され続けるとマズイ。一定量を越えると発症してしまうからね。まあ。この蝙蝠がいる以上、ガードできるから、これ以上は蓄積されないよ」  祐真はホッとする。突然不本意に、性的嗜好を変えられるのは避けられたようだ。  「でも、よくこの高校の異変に気が付いたな」  蝙蝠を介して、リコが小さく笑ったことがわかった。  「昨日、祐真、感染者に肩を触られただろう?」  祐真は思い出す。確か星斗に肩を叩かれた記憶があった。  「ああ」  「だから気が付いたんだ。魔術の因子が付着していたからね。さっき古里から触れられた分も含めて、家に帰ったら、取り除いてあげる」  「わかった」     
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