全世界BL計画

46/70
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
 「それで、淫魔はどこにいる? 学校に潜んでいるとか」  「わからない。生徒や教師に扮して入り込んでいるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ただ、確かなことは、術者を見つけて解除させるか殺すかしないと、このパンデミックは収まらないということ」  突然の物騒な言葉に、祐真は眉をひそめる。  「……どうやって見つけるんだ?」  「この蝙蝠越しに淫魔を見れば、僕なら判別が付く」  「それだけでいいのか」  「うん」  背中の蝙蝠はそう答えた。  リコは、さらに言葉を付け加えた。  「だから、祐真。君がこの件を解決に導くんだ。そうするしか道はない」  リコの突然の申し出に、祐真は困惑する。そんなことが自分にできるだろうか。何せ学校中を巻き込んだトラブルだ。荷が重い気がする。  こちらが尻込みしていると、リコは諭すようにして言った。  「これは君にしかできないことだよ。淫魔と協力できる祐真だけの役目だ。僕も最大限力を貸すから」  「……」  なおも気が乗らないでいると、リコはやんわりと指摘する。     
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!