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「それで、淫魔はどこにいる? 学校に潜んでいるとか」
「わからない。生徒や教師に扮して入り込んでいるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。ただ、確かなことは、術者を見つけて解除させるか殺すかしないと、このパンデミックは収まらないということ」
突然の物騒な言葉に、祐真は眉をひそめる。
「……どうやって見つけるんだ?」
「この蝙蝠越しに淫魔を見れば、僕なら判別が付く」
「それだけでいいのか」
「うん」
背中の蝙蝠はそう答えた。
リコは、さらに言葉を付け加えた。
「だから、祐真。君がこの件を解決に導くんだ。そうするしか道はない」
リコの突然の申し出に、祐真は困惑する。そんなことが自分にできるだろうか。何せ学校中を巻き込んだトラブルだ。荷が重い気がする。
こちらが尻込みしていると、リコは諭すようにして言った。
「これは君にしかできないことだよ。淫魔と協力できる祐真だけの役目だ。僕も最大限力を貸すから」
「……」
なおも気が乗らないでいると、リコはやんわりと指摘する。
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