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「このままでは、さっきみたいなことが何度も起こるよ。その度に助けていたら、いずれ僕の存在が明るみに出る危険性がある。それだけじゃなく、これからますます同性愛者の数は増えていく。そうなれば、祐真以外の男子は全員、ゲイになてしまうよ。そんな中で高校生活を送ることになる」
リコの指摘はもっともだと思った。これを解決しなければ、多分自分は孤立するだろう。それを解消できる術をこちらが持っているのならば、より良くなる方へと事を進めるよう善処するべきだった。
「わかったよ。何とかやってみる」
祐真は溜息混じりに呟いた。
「そうこなくっちゃ」
リコの明るい声が聞こえる。
「どうすればいい?」
「さっき言った通り、これは淫魔の仕業だ。そしてそれは蝙蝠越しでも、僕が見れば判別が付く。だから今日はできるだけ大勢の生徒を僕に見せて。制服の中からチェックするから」
「わかった」
「僕がちゃんと周りに気付かれないよう注意しながら、声でアシストするね」
休み時間や、昼休み、放課後を使えば、相当な数の生徒をチェックできるはずだ。面倒だが、そう難しくはなかった。そして、リコの方法で淫魔が判別できるのであれば、上手くいって、今日中に相手の淫魔を特定できる可能性が高い。
「了解」
「元凶である淫魔を見付けても、何も手を出さないでね。下手に刺激すると危険だから。それに、向こうはこちらが淫魔を探していることを知らないから、特定できるだけでもこちらが優位に立てる」
「オッケー」
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