全世界BL計画

47/70
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/128ページ
 「このままでは、さっきみたいなことが何度も起こるよ。その度に助けていたら、いずれ僕の存在が明るみに出る危険性がある。それだけじゃなく、これからますます同性愛者の数は増えていく。そうなれば、祐真以外の男子は全員、ゲイになてしまうよ。そんな中で高校生活を送ることになる」  リコの指摘はもっともだと思った。これを解決しなければ、多分自分は孤立するだろう。それを解消できる術をこちらが持っているのならば、より良くなる方へと事を進めるよう善処するべきだった。  「わかったよ。何とかやってみる」  祐真は溜息混じりに呟いた。  「そうこなくっちゃ」  リコの明るい声が聞こえる。  「どうすればいい?」  「さっき言った通り、これは淫魔の仕業だ。そしてそれは蝙蝠越しでも、僕が見れば判別が付く。だから今日はできるだけ大勢の生徒を僕に見せて。制服の中からチェックするから」  「わかった」  「僕がちゃんと周りに気付かれないよう注意しながら、声でアシストするね」  休み時間や、昼休み、放課後を使えば、相当な数の生徒をチェックできるはずだ。面倒だが、そう難しくはなかった。そして、リコの方法で淫魔が判別できるのであれば、上手くいって、今日中に相手の淫魔を特定できる可能性が高い。  「了解」  「元凶である淫魔を見付けても、何も手を出さないでね。下手に刺激すると危険だから。それに、向こうはこちらが淫魔を探していることを知らないから、特定できるだけでもこちらが優位に立てる」  「オッケー」     
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!