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「学校内に淫魔はいない。そこまではいいんだ。だけど、そうなった場合、もう一つ、存在しなければならないものがある」
「存在しなければならない? なんだそれ」
祐真の質問に、リコは真っ直ぐ祐真を見つめた。
そして言う。
「召喚主の存在さ」
祐真はハッとする。確かに、淫魔がいるということは、それを召喚した者がいるはずなのだ。自分のように。
「説明しなかったけど、僕が蝙蝠を介して確認していたのは、淫魔のみならず、召喚主もなんだ」
「見ただけでわかるのか? 誰が召喚主だなんて」
リコは頷く。その顔は自信に満ちていた。
「淫魔を召喚した場合、ほぼ確実に召喚主は精を吸われているはずなんだ。それもほとんど毎日。淫魔は召喚主を狙うからね。男ならサキュバスから、女ならインキュバスから。そして、精を吸われ続ければ、確実にその者の体に痕跡が残る。これは、熟練した魔術使いや、僕のような淫魔から見れば、一目瞭然だ」
「でも、同性の淫魔を召喚したのもしれないぞ」
「それでも同じさ。同性の元へ淫魔が召喚される場合、僕のように、その淫魔は同性愛である可能性が非常に高くなる。基本、淫魔は召喚主の精を吸うために現れるからね」
「俺みたいに、間違った場合でもか?」
リコは深く頷いた。
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