第4話 切り捨てる覚悟

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「大丈夫か?」 聖は翔に言った。 「あぁ…このぐらい大丈夫だ…」 翔は痛そうに腕を押さえると聖は自分の服をちぎり翔の腕を止血した。 「これで応急処置は大丈夫だ、病院に行こう」 そう言った聖を翔は止めた。 「いゃ…このまま俺の家に向かうぞ」 聖は翔の言葉に驚いた。 「こんな怪我をして行けるわけないだろ?」 すると、翔は言った。 「病院に行ってる時間なんてないんだ!!行けば分かる…それにあそこには処置室もあるから大丈夫だ…」 「処置室…?」 翔は自分のポケットに入ってる携帯を取り出し電話をかけた。 「もしもし…車をいつもの場所まで出して欲しい」 そう言うと翔は相手の返事を待たずにすぐ電話を切った。 「車って…?遠いの?」 聖は翔に質問すると答えにくそうに答えた。 「近いが、車でしか出入り出来ないんだ…」 そう言って翔は無言になってしまった。 無言の翔についていくとそこには2人が出会ったスクランブル交差点に辿り着いた。 その交差点の脇には黒い高級車が止まっていて白髪の白い髭を生やしたいかにも執事のような人が立っていた。 「翔様…お待ちしておりました」 執事は聖を見て翔に聞いた。 「この方は?」 「友人だ」 その翔の答えに執事は怯えた。 「翔…様…連れて行かれる気ですか?」 翔は表情1つ変えず答えた。 「あぁ…」 怯えた執事は翔に聞いた。 「私めは流石にこれを許す訳には…」 すると、翔は執事に言った。 「全ては俺の独断と偏見でやったことだ…お前を道ずれにするつもりはないから脅されてやったとでもなんとでも言え…」 そう言いながら翔は車の後部座席に乗った。 聖は怯える執事に聞いた。 「なんでそんなに怯える必要が…友人を連れて行くことがそんなにいけないことなんですか?」 執事はその質問に対しての返答に困っていると翔が執事に言った。 「答えなくていい…」 翔は聖に言った。 「向こうに行けば何となく分かる…それでも分からないなら俺が話す」 そう言って聖の手を掴んで後部座席に乗せた。
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