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第2話 戻りたくない日常
ベッドに押し倒された翔は聖に身を委ねた。
それからは想像より甘くてとろけそうな時間が過ぎて行った。
翔は1人洗面台の鏡に写る自分を見つめながら自分に問いかけていた。
「自分は男なのに淫らな……」
すると、後ろから聖が翔に抱きつき言った。
「こんなに人を愛したことはありませんでした…よかったら…」
すると、翔は聖の口を塞ぎ言った。
「運命の番だろうが、さっき会ったばかりの他人には変わりない…迷惑をかけて申し訳ない…あなたとの関係はここで終わりだ」
そういいベッドにホテル代を置いて翔は急いで着替えて部屋を後にした。
聖は裸のまま部屋に取り残されるとニコりと笑った。
「万が一の為に名刺を頂いてて正解だな」
名刺を机に置いて呟くように言った。
「ねぇ…おぼっちゃま…」
翔は背中がゾクッとして自分が今までいたホテルの部屋を見つめていた。
「面白い人間もいるんだな…」
少し離れた場所から呼んでおいた送りの車に乗り込み自宅へ帰宅した。
翔は自宅の駐車場に入った。
「翔様、おかえりなさいませ…。」
車の中に執事の声が響いた。
「少し、イレギュラーが起きたらしくてな…」
「かしこまりました…」
車が止まり部屋の扉を開けると、そこはまるで監獄のように鉄の棒で囲まれた小さな部屋だった。
翔は首に噛まれないように鉄の首輪をハメてギシギシ音の鳴るベッドに寝転んだ。
「そう…俺に居場所はないのだから…」
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