第1話突然の出会い

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第1話突然の出会い

「退屈すぎる…」 男はそう呟いて自分の家でため息をついた。 その男は蒼山 聖(あおやまひじり)一流企業の会社員をしている。 そんな聖の性別は男でα(アルファ)である。 世間でいえば優秀な存在と認識されている性別だ。 そのおかげで変な期待を持たれているが、聖の場合は努力で成り上がったタイプだ。 聖はそんな環境にうんざりしていた。 そんな聖とは正反対の男がまた自分の家にいた。 「退屈すぎる…」 男はそう呟いて自分の家で体育座りをしながらため息をついた。 その男は翠川 翔(みどりかわしょう)ミュージシャンのボーカルをしている。 そんな翔の性別は男のΩ(オメガ)である。 世間でいえば蔑まれる存在と認識されている性別だ。 だが、家が裕福なおかげで一般人から蔑まれることはない分自分をアルファと偽り生き家族からずっと蔑まれ生きて来た。 翔もそんな環境にうんざりしていた。 午後18時のスクランブル交差点は赤信号から青信号に変わり人が行き交う中で聖と翔はすれ違った。 すれ違った瞬間に互いに振り返り手を握りあった。 「あなたが…」 「君が…」 「「運命の人……」」
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