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「・・・・・・考えても埒が明かん」
呟き、首を振って気持ちを切り替えると、ガルトは持ち帰ってきた書類仕事に手を伸ばす。
適当に一枚摘み目で文字を追うと、その顔は娘を心配する父親から肝の据わった騎士団長の顔へと切り替わる。
「・・・・・・けったいな奴もいたものだ」
目を通しておくだけで良いらしく、一通り読み終えるとガルトは机の端に書類を置き、次の書類へと手を伸ばす。
はらりと机から書類が滑り落ちるも、ガルトは気付く様子がない。
【騎士団広報
最近の帝国のものと思われる事件現場で、漆黒の鎧を纏った人影を複数回目撃。事件と直接関係は確認されていないが、各自警戒を怠らないよう十分注意すること】
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