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「おかしいって、どういうこと」
「自然に開いた穴にしては、完全な円に近い」
「それに・・・」
「それに、何」
サキの質問に答えるように、モーガンは穴の底を足で三回「ガン、ガン、ガン」と踏みつけて見せた。
「なっ、変だろ」
「よくわかんない」
「おそらく、下は空洞だ」
「どういうこと」
「私の感では、この穴は人工物だ。たぶん何かの排気口か何かだろう。穴の底はおそらくは、金属か何かで出来た格子か網だ。外からの落下物が中に入らない様にするための。長い年月の間に上からの土砂が積もって、その網を塞いでいるのではないかと思う」
それを聞いてか、メリッサはムクッと立ち上がったかと思うと、腰のホルダーから分子破壊銃を取り出して、穴の底に銃口を向けた。
「やめろー、もう少し・・・」
タケルはメリッサを止めようとしたが、メリッサの反射神経には及ばなかった。
「ドッカーン。ドッスーン」
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