ステラ・デ・スペラ（希望の星）『292ぺージまで公開』

第五章 恐竜の惑星

　穴の底が抜けたのとほぼ同時に、全員が抜けた穴の中に吸い込まれた。穴は幸いにも垂直ではなく、なだらかとは言わないまでも、ある程度の傾斜があったせいで、高速の滑り台を滑るような感じで滑り下ることが出来た。タケル達はその排気口の終点に投げ出された。そこはかなり広い空間であった。

「イッテエー」
「アイタタ、ター」
　全員、同じタイミングで落ちたため、出口付近では人間玉突き状態を引き起こしていた。

「メリッサ、無茶するなよ」
　どこかにぶつけたのか、腰を右手で押さえながら、タケルはよろよろと立ち上がった。他のクルー達も、皆、足や腕を押さえながら、よろよろと立ち上がった。
　メリッサだけは、いつもと変わらずにシャンと、それも誰よりも早く立ち上がっていた。