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見渡す限りの砂の大地は、草木はおろか、岩一つさえもなかった。後ろを振り返ると、もはやタケル達が出て来たであろう洞窟も、地平線の彼方に消えていた。行けども、行けども代わり映えのしないその砂の大地は、そこが進んだ先の場所であるのか、それとも元の場所であるのかのさえ、もはや区別がつかなかった。
いつしか、先を急ぐタケルと道案内役の男は、ゲイス達の遥か前方を歩いていた。タケルはたまに後ろを振り返っては、ゲイス達が後を付いて来るのを確認していた。でも、その距離は次第に開いているように感じられた。
次にタケルが振り返った時、ゲイス達の姿はなかった。心配になったタケルは、道案内役の男を促して、もと来た方に歩み出した。
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