第二章 惑星ラティウム

1/57
208人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ

第二章 惑星ラティウム

「真っ青だ」  ゲイスが歓喜の声を上げた。 「あの青いのは海か・・・」  モーガンが身を乗り出してきた。 「ちゃんと、お天道様もあるじゃないか」  ゲイスはケプラー22b惑星の先に輝く恒星を指さした。 「惑星の半径は地球の約二.四倍。質量は地球の約十倍。表面重力は地球の約二倍ってとこかしら」  測定モニターデイスプレイをいとも簡単に使いこなしながら、サキが惑星の観測結果を皆に報告した。 「重力が二倍って。これじゃ歩けねえ」  先程まで浮足立っていたゲイスが落胆の表情を浮かべた。 「大丈夫よ。これぐらいなら、反重力シューズを履けば、地球と同じように歩けるわ」 「ありがてえ」 「地表温度は、おおよそ二十二度ぐらいかな」 「いやあ、ますますいい。サキちゃんありがと」 「感謝されてもねえ。あたしが決めたわけじゃないからね。えーと、自転速度は地球の約二.五倍。惑星の半径は地球の約二.四倍だから、地球の二日分が一日分ってとこね」 「夜が長いってことか、これは楽しみ、楽しみ」  ゲイスはニヤニヤしていた。 「ヨダレ出ているぞ、ヘンタイ」  メリッサは冷ややかな視線をゲイスに注いだ。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!