第二章

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第二章

少し歩いて、試衛館に着いたんだけど…この人よく喋るな…人ってこんなに喋れるものなんだね… 沖田「近藤さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」 沖田は門を潜るなり、叫んだ 近藤「おお!宗次郎!!どうした??」 顔は厳ついが、白い歯が見えるくらい豪快に笑っていた 沖田「近藤さん!この少女をここに置いてもいいでしょうか!!」 近藤「ん?どうしたんだ?」 近藤はしゃがみこんで私と同じくらいの背になり、話しかけてきた 無月「私、住むところがなくて。」 無月は相変わらず無表情で答えた 近藤「っ!そうだったのか!そうかそうか!すまないことを聞いたな、ここでいいなら、住みなさい!」 近藤さんは、一瞬悲しい顔をしたが、私は気にしなかった 沖田「良かった!!これからよろしくお願いしますね!!!無月さん!」 沖田さんは眩しい笑顔で喜んでいた。 はぁ、居心地悪いな…ここ。私には似合わない。 それから、沖田さんと私は、私のことを他の人に紹介するために歩き回った 沖田「あと、紹介する人は1人だけですよ!鬼なので気をつけてくださいね!」 鬼? 沖田「あ、土方さん!」 土方「あ゙?宗次郎、誰だそいつ」 私のその人の印象は、俳優でも全くおかしくないような美形だった 沖田「柏木無月さんですよ!今日から、一緒に住むんです!!」 土方「あ?…かっちゃんは、良いって言ってんのか?」 かっちゃんとは、近藤さんのことだろう 沖田「はい、いいって言ってましたよ」 土方「ならいい、俺は何も言わない」 沖田「あっははははは!!何言ってるんですか?土方さんに無月さんをここに置いていい許可なんて聞いてないですよ!!」 沖田さんは土方さんを馬鹿にしたように言った 土方「てめぇ……宗次郎!!今日こそは覚悟しやがれ!!いつもいつも舐めたような口利きやがって!!」 土方は沖田を追いかけもう見えなくなってしまった。 ああ、あの2人は仲がいいんだね… 仲が良い人…か…あの人は元気かな?私がいなくなってどうしてるかな… 無月は無意識に雲のない晴天に目を移した
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