1人が本棚に入れています
本棚に追加
『何時も思うけど水瀬さんの運転って穏やかだよね!』
『そ、そうですか?火宮君も若いのに運転技術に整備の技術は見習いたいですね』
揺ったりとした運転の中を若葉駅に到着する頃には、駅前スーパーに買い物やお迎えの車も減っていた。
バスターミナルに停めた水瀬は、名簿を確認して車外に降りた。火宮はバス側面のハッチを空け、荷物置き場の確認と荷物預り証を掴んだ。
『お待たせしました。京都大阪行きのお客様で、ご予約された方は順番にどうぞ』
火宮が手際良く乗客の点呼を取り、座席案内しながら水瀬と荷物の積み込みも手伝いもしていた。
私は乗客の手荷物を預りトランクに積み込み始め、最後の一人の女性と目があい少し戸惑った。
『野口です。また、宜しくお願いします』
短髪の眼鏡をかけた女性が笑みを溢し会釈して声をかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!