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正直友人を招ける様な環境では無かった。 まあ、逆に好きな人と同じ部屋でドキドキみたいなことにも絶対にならない部屋で、気持ち的には少しはマシなのかもしれない。 高校の時はお互いの部屋に行き来をすることは、まず無かった。 手料理を振舞えるほど仲もよくなかったし、お互いのテリトリーに人を入れることに嫌悪感があった。 蘇芳に聞いたことは無いが、十中八九間違いなく蘇芳も自分のテリトリーに人を入れることが好きではないだろう。 その男が、何故こうやって、自分の部屋で自分の目の前にいるのか、訳が分からなかった。 「で、用事があったんだろう?」 食事用に置いてあったローテーブルに向かいあって座る。 切出して、さっさと終わりにしたかった。 「茨木から、連絡なかったからどうしているかと思いまして。 それと、確認をしようと思ったんですよ。」 「確認?」 どうしているなんて、普通にメッセージでもよこせば済むことだろう。 意図が全くわからなかった。 「俺がいなくても、茨木が生きていけるかの。」 目の前が真っ暗になった気がした。 この男は何を言っているんだ。 それを知って何になる。 「ふざけるなよ。」 出てきた声は、自分で自分が嫌になる位無様に震えていた。     
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