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「これからもっと恥ずかしいことするんですよ。」
クスクスと笑われながら蘇芳に言われる。
知っている。知識だけなら、多分ある。
けれど、その知識が自分自身の現実のものになるとは思っていなかったのだ。
うつ伏せにひっくり返されて中を解される。
後ろから、蘇芳の荒い息遣いが聞こえるのは救いだった。
ふうふうという喘ぎなのか何なんだか分からない声を出し続けてひたすらシーツを掴む。
快感を拾っているような気もしたがそれを認めたく無い気持ちもある。
頭の中までぐちゃぐちゃにされているみたいだった。
「入れますよ。」
後ろから聞こえた声には余裕がなくて、それだけで優越感のような感情が湧く。
実際はこっちも余裕なんてなくて似たようなものだけれど同じ位向こうも余裕のないことに安心していた。
洒落にならない質量が中に侵入してきて、思わず息をつめる。
なんだこれ、なんだこれ。
体の中から支配される様な錯覚に陥る。
ぞわぞわとした何かが背中を駆け巡る。
自分が自分では無くなってしまうみたいで怖かった。
体が本能的に逃げをうつ。
けれど、肩を掴まれてそのまま抱きこまれるみたいにして戻される。
うなじの下、首の部分に触れられる。
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