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確かにあの時俺は、蘇芳に恋をした。
◆
高校へ上がるのと同時に俺は蘇芳の親衛隊に入った。
周りからは、お前ああいうのが好みだったのかと言われた。
ようやく他人に興味を持てたかと言われたが、それは半分当たってて、半分外れていた。
蘇芳のことを好きだと思ってはいるが、多分周りが思っているのとは少し状況が違う。
それに、蘇芳の親衛隊は他の人間についているソレとは少々違う。
まるで上司と部下、否、ボスと手駒のようだと思った。
お茶会と称して交流会をしている親衛隊もあると聞いていたが、他のそれとの違いに、ああやはりと納得した。
綺麗な蘇芳様とその取り巻きという印象が、あの時の蘇芳とはどうしても合わなかったのだ。
このビジネスライクな状況の方がよほどあのガラス玉の瞳には合っていると思う。
とはいえ、それに気が付いている人間はさほど多くないのかもしれない。
高校入学と同時に生徒会入りした蘇芳のあくまでも手伝いという体裁であったし、蘇芳自体が親衛隊を邪険にしている訳でも無い。
普通は違和感すら感じないのであろう。
平隊員の俺は、直接蘇芳と言葉を交わすことなど、ほとんど無かった。
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