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「…あ、ああ、構わないが…その、ここの店主はご存知なのか?」
「はい。
でも、他の人には絶対に言うなって言われました。
私のサイコメトリーの力は、てんちょーや他のサイコメトリーとは別物らしいので…」
「…分かった。
君がサイコメトリーだという秘密は墓まで持って行こう。
しかし、何故そんな重要な秘密を私に…」
「…私、“視”えたんです…あの本に触れた時に。
てんちょーみたいにはっきり、映像として“視”えた訳じゃないんですけど…。
あの本には、とっても…とっても優しくて温かい想いと、ちょっぴりの悲しさが込められていました。
…大丈夫です。
あの、何が大丈夫かって聞かれても、うまく答えられないんですけど…大丈夫、だと、思います」
もごもごとし始めた桃を、天都は優しい目で見ていて。
「…ありがとう。
君のおかげで、だいぶ気持ちが楽になったよ」
「は……はいっ!ありがとうございますっ!
あっ!お茶のお代わりをお持ちしますねっ!」
「すまないね。
それと、君もコンタクトレンズを戻した方が良いだろう。
洗浄したりと色々と大変なのだろうし…それに私に話したとバレてしまっては、店主に叱られてしまうだろう?」
「え、えへへ…。
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