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「……ありがとう。
君達に出会えて…君達にこの本を託して、本当に良かった」
そう言って、天都は去って行きました。
その手にしっかりと本を…「鶏頭」を携えて。
?
「てっ、てんちょーっ!てんちょーっ!」
「あら、桃、お帰りなさい。
ちゃんと通帳記入してきた?」
「てんちょおおおおおおおっ!」
「…一回落ち着きなさい、桃。
貴方は何を慌てているの?」
「でんぢょおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「だから落ち着きなさいってば、桃。
落ち着かないなら首にとんと手刀を入れて貴方を強制的に黙らせる他に道が無いのだけれど」
「あっ、あのっ!一週間前にサイコメトリーの依頼を受けた禊萩 天都さんから…その、なんだかちょっと恐ろしい額のお金が振り込まれているんですけど…っ!」
「あら、そう」
「あっさりですねっ!?
い、いったいなんの情報をお渡ししたんですか!?」
「別に?
私はただサイコメトリーで“視”た物を極めて簡潔に禊萩 天都に伝えただけよ」
「ちょっとぐらい教えて下さいってばー!」
「えー…」
「あからさまに嫌な顔をしないで下さいっ!」
「だって桃、絶対に男女の機微に詳しくなさそうなんだもの」
「良いじゃないですか詳しくなくてもっ!
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