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壮年の男性はポニーテールをゆらゆら楽し気に揺らして出迎える女の子に一瞬眉を顰めましたが、一つ咳ばらいをして、
「…すまない、ここは薄雪骨董品店か?」
「はいっ!そうですっ!
お求めは絵画ですか?陶磁器ですか?
あ、刀剣類も置いていますが所持許可証が無いとお売り出来ませんよっ!」
「いや、そうではなく…」
「では骨董品の買取ですか?
生憎今てんちょーは今お昼寝中でして…三十分ぐらい後に来て貰えれば多分起きてると思うんですけど…」
「そういう事でもなく…」
「…あっ!もっ、もしかしてまた宣戦布告ですかっ!?
わ、私がもうあの時みたいにへっぽこでは無い所をお見せしましょう…!」
「宣戦布告というワードを現代の日本で聞く事が無いから内容が気になるが、そういう事でも無い。
…ここに、物に込められた想いを“視”てくれる…サイコメトリーをする少女がいると聞いてきたのだが…本当か?」
ポニーテールをぶんぶんと揺らして元気な声で応対していた店員さんでしたが、その一言でぴしりと固まってしまいました。
それから暫く「あー…えとー…」と視線を漂わせ、「んー…」と考え込んでいましたが、「……うんっ!」と大きく頷いて、
「ちょっと待っていて下さいっ!すぐてんちょーを叩き起こして来るのでっ!」
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