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デスクに着くや否や僕は愚痴を口にした。
すると隣のデスクから書類の束が飛んでくる。
「あなた、仕事溜まりすぎよ」
仕事はその日の朝に書類となって渡される。モノギは出勤が遅く、書類を受け取るのが遅れていたようで、隣のデスクのミカが受け取ってくれていたようだ。
モノギはそれを受け取りお礼を言う。
「あ、ありがとうございます。 ミカ先輩……って何ですかこれは!」
書類に書かれていた内容は、到底今日中に達成できるようなものではなかった。
「今日中に50人分……。 流石に無理だよ」
「つべこべ言ってないで手を動かしなさい。 さもないと今日帰れないわよ」
「ミカ先輩もこの量は―――」
ミカのデスクには既に書き終えた書物が積み上げられていた。
「は、はや~。 まだ始まって10分ぐらいだっていうのに」
ミカは一旦手を止め、積み上げられた書物の一冊を手に取り中身を見せてくる。
「どれも平凡な物語よ。 だから早いの」
「だとしても異常ですよ……。 とほほ、僕にはこの仕事向いてないのかな」
「そんなことはないわ。 神になったんですもの、才能がなければできないことだわ」
ミカはその言葉を残し仕事に戻った。
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