終章 白狐

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消え失せた 蛇婬の精 そしてそこに残っているのは 駅近くのコンビニ店長らしきストーカーおやじ それを見た 誠所長 「こいつは警察に頼みますか 磯田さん 110通報 よろしく 」と言えば 部屋の中でボーッとしていた 磯田記者 早速通報しました さて 部屋に残った 白狐と 大狸の大ちゃん それに誠所長に 木次 庸子さん 頭を下げては 「ありがとうございました この人がストーキングしてて それにあの化けものが憑いてたんですよね」と聞かば  白狐 頷きつつも「お前は どうも あやかしとかを惹き付ける対質のようなのでな 私が この部屋に 狐火を残して置いたのでだが そこのおかしな誠とか言うやつが 結界など余計なことして 手間取ってしまい 怖い想いをさせてしまったな すまぬことをした」と謝ります それを見た 庸子さん 「貴方は 私を見守っていらしたんですかぁ 私が早とちりして 誠所長たちを巻き込んでしまったからです と言うか 何故 私を見守って?」 「ふむ 私はこの王寺の地域を守護するように 天狐様より言いつかっておるからな それに そなたらおなごを守るのは 我が白狐一族の掟とその昔より。。。。いや その話はよいか さて 私はそろそろ 天狐様のところへ参じねばならぬゆえ さらばじゃ 狸や人と共闘するなんて 天狐様に知られたら どんなお仕置きを受けることやら。。。。」 「本当にありがとうございました あのお名前教えてください」 「人に名など告げぬが 人の世で過ごす時は 伯院(はくいん)と申す では さらば」と告げるや いつのまにか あのやせ形のひとがたに戻った 白狐 狐の面をつけて しろし装束に身を包み 消え行こうとして 今一度 木次 庸子さんのところへ来ては 何か小さな布の袋を手渡しました 「お主は特別に狙われやすい対質ゆえ これを渡そう これは我が分身ゆえ 何かあれば この袋に助けを請うがよい では」と言って 今度こそ 煙のように消えてしまいました。
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