終章 白狐

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終章 白狐

木次家の家の人びと すでに 家の外から流れ込んできた 邪気に当てられて 皆 身動きできなくなっています そして 部屋の中の二人も 中央に 誠所長が張った結界から 何かが出てこようとしてるのを見つめつつ こちらも金縛りに 家の扉をこじ開けて 入ってきたのは 銀色の長い髪を後ろに束ねた中年おやじ しかし 目が人の物には見えず 爬虫類のような冷たい視線を放っています さて 白鷺 この状況を打破すべく 自身の体重を思いっきり 前にかけて 前方へと 廊下に倒れこみました すると 腰につけていたポシェットより あの誠所長より預かった珠が飛び出しては いきなり  ピカリ? と閃光放っては 何かが飛び出しました えっ それは いやいや 信楽焼の狸の置物みたいな いや 動いているので置物ではない その狸 いきなり 白鷺を見ては「ああ 誠のおやじじゃねえじゃん まあいいか こげん可愛いおなごの方が嬉しかねえ」と喋っては 部屋の前の結界を破ろうとしている おやじを見ては「あいつやなぁ よっしゃ わしに任せろ」と言っては そのおやじに飛びかかって「ええいやぁ わしは おおたか山の大狸の大ちゃんじゃぁ てめえ 呪物の癖に 人様の家にはいりこむとぁ ふてえ輩じゃねえかぁ」と怒鳴りつけては 背中を引っ付かんで 廊下へと投げ飛ばしました
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