2 夏、初恋

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 バチンと音がした。男はぼんやりと枕元に置かれた本をなでた。留め金が開いている。男は浅いまどろみから覚め、本を開いてみた。4~500頁はあろうかという厚さの本を、パラパラと捲ってみたが男の期待に反して中身は白紙であった。  ただ一ページ目に「夏、初恋」と書かれていた。フンとため息を付いて男は本を閉じた。その翌日もまた夢を見た。
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