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第2話 再婚
俺はリビングから出ると、階段を登り妹の部屋の前まで来た。
「光。大丈夫か?」
「…」
ドアの向こう側へと問いかけるが返事はなかった。
「光。部屋に入ってもいいか?」
「…」
今度は部屋へ入ると伝えたが、返事はなかった。
光は嫌なことは嫌ってしっかりと言うやつだ。
俺の要望に光が返事をしなかったということは嫌じゃないということ。
俺はドアノブに手をかけ、回し、ドアを開ける。
光の部屋は俺の部屋の隣で構造も同じ。
部屋は6畳程で、部屋の左端に机、右端にはベットがある。
そして光は地面に座りベットにもたれかかっていた。
「光、大丈夫か?」
「うん。いきなりだったからちょっと、ね」
そう言う光は俯いていた。
俯いているため横顔しか見えないが、光がかなり暗い顔をしていた。
そんな顔してちょっと、かよ
「嘘つけ!!」
「ちょっ、ちょっと、何すんのよ」
俺は暗い顔をしている光を元気づけるため、光の髪をワシャワシャした。
光は髪をワシャワシャする俺の手を退けるため、俯いていた顔をあげ必死に抵抗していた。
「それがちょっとな訳あるか。だったら、なんで泣いてるんだよ」
「これは、違っ」
光は泣いていた。
それを隠すため俯いていたのだろう。
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