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「…は、はじめ……まして」
裕二さんに促され恥ずかしながらも挨拶をする紗英。
俺はその姿を妙に可愛いと感じた。
「これから私達は家族になります。すぐにはお義父さんと呼べないかもしれないけど、いつか呼んでくれると嬉しいです」
「私のこともお母さんって呼んでくれていいからね紗英ちゃん」
「…」
母さんの問いかけにコクリと頷いた紗英だった。
「それじゃあ今日はこのくらいで」
「裕二さんたちは明後日にこっちに引っ越して来るからね」
「それじゃあ、紗英の部屋は俺の右側の部屋が空いてるからそこかな」
「そうね。紗英ちゃんの部屋は階段を登って一番左の部屋ね」
入江家の2階には3個部屋がありその内2つは俺と光の部屋だ。
階段を登って一番右側が光の部屋。
その左隣が俺の部屋。
そして俺の左隣の部屋は空き部屋になっている。
その部屋が紗英の部屋のようだ。
「それじゃあ、また」
「はい。裕二さん。また」
そして裕二さんと紗英は自分の家へと帰っていった。
ばたんと玄関のドアが閉まり、裕二さんたちが帰ったのを確認して母さんは俺たちの方へと向いてきた。
「由樹、光ありがとね」
「ううん」
「べ、別に」
こうして母さんは後日色々手続きを踏み俺たちは家族となった。
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