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第3話 家
今日は裕二さんと紗英ちゃんが家に越してくる日だ。
俺たちの昨日の頑張りで、空き部屋改め物置きと化していた部屋は姿を変え、今は人が住めるようになっている。
こうして部屋の準備をし、後はお義父さんになった裕二さんと、義妹になった紗英ちゃんを迎えるのみとなった。
もうすぐで着く、と裕二さんから母さんのスマホに連絡があったため俺たちは玄関でお出迎えするべく玄関の前で待っていた。
「ピンポーン」
家に響く電子音。
母さんは早足でドアの取っ手を持ち、奥ヘと押した。
すると、ドアの先には裕二さんと、紗英ちゃんの姿があった。
母さんは裕二さんの姿が見えるとすぐに笑顔になった。
「さあ、入って」
「お邪魔します」
母さんの声に促され、裕二さんと紗英ちゃんは家の中へと入っていく。
「ふふっ、お邪魔しますだなんて他人行儀な。ただいま、でしょ?」
「そうだな。今日からここが僕たち家族の家だった」
そう言うと裕二さんは玄関で立ち止まりしみじみとした気持ちで家の中を見ていた。
「これからこの光景を何度も見るんだろうな」
「そうですよ。なんて言ったって私たち家族ですから」
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