2話その名は爆弾魔

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「ということは死なない?」 「恐らく、肉体的にも不死身になってるみたいだ。壊れた筋肉は鍛えられた筋肉に入れ替わるように再生する。だから、何回も壊せば、すごいことになる」 「拙者、驚きましたよ、あなたが不死身を手に入れるとはね」  爆弾魔のルーガストがにこりとする。 「そうじゃな、そもそもムーンパワーとはその人間一人ひとりに与えられた力じゃ、ごくたまに同じ力を持つ者が出現することもあると聞いたことがあるが。不死身なんて力を得た人を見たのは初めてじゃ」 「しかし、弱点はごく普通ですよ」 「わしが察する限りじゃと、満月だと死んだら死ぬとかかのう」  ウィントスは絶句した。 「どうやら図星のようじゃ、ふぉっふぉ」  老人はニコリとしている。 「では始めるか、食事も終わったことだし、すまぬが、トンネルが出来るまで寝ることはできない、限界になったら二時間だけ眠ってくれ」  その場にいた全員が笑った。 「なにをそんなに気にしているグランドス。拙者とお主の中ではないか、ここにいるやつ全員がほぼ寝ないで動くつもりのようだぜ? 二人の若者を見てみろ」  ウィントスとフォンの瞳はとてつもなく輝いている。  自分の顔を見れないウィントスもダイヤモンドの反射でなんとなく輝いている気がしたが、ダイヤモンドじたいが輝いていることなどつゆ知らず。 「「「「気合いだ」」」」  全員がさけび、採掘を始める。
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