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ーーーーーーー あの日からやたらと"宿り木"で飯を食うことが増えた。 いつの間にやら、美穂や真由ちゃんまで輪に加わり来るようになったことで西園寺も怒るに怒れないようだ。 「~~~~っ!」 今日も俺達の来店に頭を抱えているのが厨房からチラッと見えた。 実行犯の耶俥はというとしらを切らんばかりに素知らぬ顔。 ちょっと申し訳ないが、ここの飯が美味いのは事実なのでこちらとしても割高ながら通う価値は十分にある。 美穂や真由ちゃんなんぞは 「わー!今日は何を頼もっかなー!」 なんて品定めを始める始末なので、白眼視されることも杞憂であった。 「…お客様、ご注文は?」 『オムライスで!』 「~~~~~っ!」 日常のある意味ルーティーンと化したこの状況。 これは単に西園寺をいじるのが楽しい耶俥の悪辣な作戦というわけではなく、敵への防衛策に近かった。
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