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暗闇の中。その中で響く足跡。
歩いていたのはフユキだ。
先の事件…。
『紫のメダル』を用いて行った騒動の中心にいた。
だがそれは意外な事に、自分の組織の介入により思い描くシナリオとは大きくズレた。
その事で別に彼は怒りは感じてないが、納得もしていない。
「オッス!お勤めご苦労だったなぁ…フユキ?」
フユキは立ち止まり、目の前の、椅子に座っている男に目をやる。
その表情は笑ってこそいたが、瞳には微塵も微笑ましさなどなかった。
組織の中でも数人でしか会う事が許されない。『あの方』と呼ぶ者だ。
「これはこれは、どうもおおきに。と…言いたいところやけど、素直に受け取ることはできんなぁ…。寝る間も惜しんで考えてた僕の大爆笑シナリオの1つがパァになってしもうたし…」
「ハッ…。まあそう拗ねるなよ。だったらまた寝ずに作ればいいだろ?」
少し捻くれた返答するフユキ……だが男はそれには気にも止めない。
「意地悪やなぁ、でも今回はちょーっとばかし納得出来まへんで。夏樹ちゃんとギンちゃんを介入させてまで、止めるべき事やったのか…という点がね」
先の事件で、気にかけた事を問いかける。
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