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「絞られたようだな…珍しく」
「うーわ、一番見られたない人に一番見られたないトコ見られるとかないわー」
壁に凭れるキングを苦々しく見遣る。
「嫌味言う為だけに待っとったんやったらキングはんも相当意地が悪いで」
何時もほどではないが、切り返してくる言葉を一笑に伏してキングは言った。
「悪いが私もそこまで暇ではない…。お前の遊戯に混ぜてもらおうと思ってな」
それを聞いたフユキの片眉が意外そうに上がる。
「最近えらい大人しかったのに、どういう風の吹き回し?」
「…最近は裏方への指令ばかりで退屈でな。たまには貴様の言うところの刺激とやらがなくてはつまらん」
「…なるほどね。ま、そしたらキングはんにも色々立ち回ってもらうわ」
解っている。
彼は所謂"目付役だ。
どうやらこの先は、あまり好き勝手には遊べないらしい。
「あー…めんどくさ」
ーーーーーーー
「…全く貴方も人が悪い。駄目なら駄目と厳命すれば彼も動きはしないでしょうに」
フユキの前から辞した男に皮肉を飛ばすナイメア。
男を挟んで向かいには、これまた道化じみたワカナが退屈そうに男の座るソファーの縁に顔を乗せている。
「ホントだニャー…。てかキングにゃんじゃなくてアタシに見張らせて欲しいにゃあ…アタシ死なないし」
ぶんむくれるワカナの頭に手を乗せ、男は苦笑する。
「悪かったよワカナ…今からでも遅くねぇし、行ってきたらどうだ?」
「わーい!じゃ、晩御飯までには戻るにゃー!」
嬉々として飛び出していくワカナに笑いつつ、男は少し疲れたように溜め息をつく。
「…どうされました?」
「いや、アイツらとあの■■3人が鉢合わせすんのももうすぐだと思ってな」
「…また楽しみが増えるわけですね」
「言ってろこの戦争狂め…。」
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