赤い本
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それから桜子は川へ飛び込むのをやめにしてしまった。これから飛び込むのだという気がすっかり心から抜け落ちてしまった。家に帰り、作り置きの夕飯をお腹の中へかきこんで、風呂に入り、歯を磨き、自分の部屋で寝転がって本を開いた。桜子はあまり本を読まなかった。しかし、その本は桜子を夢中にさせた。言葉は桜子の心の中にすんなりと染み込んでいった。そして彼女はその本を一気に読み切ってしまった。朝はもうすぐそこまで迫っていた。
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