赤い本

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 次の日、桜子は寝不足だったがそれでもいつもと同じ朝七時に目を覚ました。ぼんやりとした頭で今日は学校が休みだと思い出した。桜子はもう一度夢の中へ帰ろうとしたがふと机の上に置いた本へと目をやった。昨日、あの青年から受け取った本だ。桜子は、はっとして布団を剥いで飛び起きた。まっさきに頭をよぎったのはあの青年のことだった。心に力を取り戻した桜子は思考を巡らせた。そしてこの本を青年に返さなければならないという結論に至った。しかし桜子は青年の名前さえも知らなかったのだった。     
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