殺され死・者(ころされし・もの)

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殺され死・者(ころされし・もの)

「えっ…? うそっ…」 それは一本の電話から始まりました。 まだ夕飯を食べている時、電話が鳴り、出たのはわたしの母でした。 母は電話の内容を聞き、真っ青な顔色でわたし達を見ました。 そして… 「殺された…殺されてしまった…」 壊れたテープレコーダーのように母は繰り返しました。 「どっどうしたの? お母さん!」 わたしは母に駆け寄り、その肩を掴みました。 「あのコがっ…殺されてしまった!」 ―母が次に言葉を紡いだ声の意味は、わたしの血縁者の女の子の名前でした。 「うそっ…!?」 その場にいた父に兄、そして弟も言葉をなくしました。 そしてわたしも。
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