『魔王』と『姫』

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昔々、と言っても今からほんの10数年ほど前のお話…… このイゼール王国には、『魔王』がいました。 『魔王』は強大な魔力と残忍な心を持ち、人々の生活を脅かしていました。 ある日、『魔王』は王宮の至宝とも呼ばれた美しき姫を、あろうことか攫ってしまいました。 『魔王』は姫に、妃になるよう言いましたが、姫は拒み続けました。金・銀・財宝、どんな宝にも権力にも姫は屈しませんでした。 そこへ、姫を助けるために勇者たちがかけつけました。 だけど『魔王』はとてつもなく強く、勇者たちは次々と倒れてしまいます。 そんな中、姫は『魔王』の隙をついて魔法をかけたのです。それは、「魔王」が持つ強大な魔力を封印する魔法でした。「魔王」の力のすべてを封印した姫は力を使いつくし、命を落としてしまいました。 一方の魔王もまた、力をすべて失ってしまい、生き残った勇者によって打ち取られたのでした。 こうして、美しく気高い姫の犠牲のおかげで、この国に平和がもたらされたのでした……。
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