ダークアンドライト

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 いつもの汚れない瞳で大粒の涙を零している蛍ちゃんに、わたしは何も言えなかった。 「ねえお姉ちゃん、蛍も魔法使いになりたい! 蛍をお姉ちゃんの弟子にして!」  頼んでくる蛍ちゃんに、わたしは『黒の書』と、黒のコートをプレゼントした。 「いいのっ?」 「うん、わたしにはもう必要ないから。でもね、蛍ちゃん、この本があってもね、蛍ちゃんは魔法も魔術も使えないの」 「どうして?」 「……大人じゃないから、かな」  だからね、大人になって、まだ魔法使いになりたいって思ったなら、その時はわたしのもとを訪ねてきて。そうしたらその時、弟子にしてあげる──
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