第5章 都市伝説

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千里は、このまま真っ直ぐ行けば公園に着くだろう道をわざわざ遠回りして裏入口に向かおうとしている。 「おい、待てよ。」 零が後ろで吠えている、知らない。と突っ撥ねるように千里はその言葉に聞きもせず、歩き続けた。 「千里ー?どこいくの。公園はそっちじゃないよ。」 佳音瑠は裏口の存在を知らないようだ。 知ってたら驚くね。だってこんな不気味な剪定すらされていない森の公園のことをよく知ってるだなんて、普通の漠然と生きてる人間じゃ知るはずもない。 それでも千里は耳を貸さない。ただ月夜の光だけを道しるべとするようにただただ歩き続けた。すると、「どこ行くのじゃ」とおばあさんのような声が聞こえた。3人は驚き振り返るとそこには猫又がいた。単純に尾が2つに分かれている猫だ。 「ここから先は危険なのじゃ。立ち入ってはならぬぞよ。」と年寄りくさい喋り方で猫又は喋った。
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