第4章 正体

2/8
133人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
いても経っても居られなくなり、私はひとりそこに駆けて行った。 後ろから3人の「千里」等という声が聞こえるが聞こえないふりをする。 すぐに、黒いかたまりが見えた。 近づくにつれ、それはだんだんはっきりと猫の輪郭、猫の身体、と認識するのには充分すぎた。そして、黒猫の姿を表していく。 嫌な予感が当たってしまった。 先程のはやはり黒猫の死骸だったのだ。 黒猫は、石の上で横たわった状態であった…。 その時、後ろから「先行くなよ、危ないんだから」と奏多の怒る声が聞こえた。 「ごめんごめん、ちょっと気になっちゃって。」と謝る。 「これって...!」と佳音瑠が何か言いたそうに呟いた。
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!