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猫又は千里に近づいて言った。
「己...、千様」
は!?
零と佳音瑠は目を見開いた。
この猫又、なんで千里のこと知ってるの。
「お黙りなさい。」
キッと千里は睨んだ。
「あの猫又、不思議だね。」
と、佳音瑠が言うが千里の顔が先程までの凛とした表情は無くなり、おぼつかない顔をしている。眼差しが少し眩んでいるようにも見えた。
零は無言、ただただ傍観してるだけ。
いや、言葉にもならないのだろう。
人間観察をしていると、猫又はいつの間にかいなくなっていた。
早く去りたいと言うように千里は足を早める。
そして、ようやく一筋の光が見えてきた。
公園の電灯だろうと思われる光が。
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