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第4章 正体
嫌な予感が脳内に過ぎった。
真っ先に脳裏に浮かんだのは、小さな生き物をとらえた美しい月のような、金色の瞳の黒猫の姿。
私はもしかすると、あれは黒猫の死骸なのではないか。そう思ってしまった。
人間とは酷いもので、1度脳がそうだと思ってしまうとそのあと何度見ても黒いかたまりは猫の形にしか見えなくなってしまった。
私はなんて、人間は愚かなのだろうと感じた。一度そう感じてしまうと、数分前の自分に抗えないのかと。
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