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第5章 都市伝説
「やっぱり、これはあの話だよ。」
佳音瑠がとても深刻そうな顔つきでそう呟いたのを千里は聞き逃さなかった。
千里も神妙な顔つきで問立てる。
「何、その話って?」
私は気になったので興味本位で尋ねてみた。
すると、佳音瑠は言いたくなさそうなちょっと困った顔で「うんいいけど...」と応えた。
「昔ね、この町には吸血鬼がいたらしいんだ。そしてある日町の人が次々と吸血鬼の家畜とされ、殺されたんだ。
それを境に町の人は怒って吸血鬼を処刑したはずだったんだ。
町の人に怒りを持った吸血鬼の子孫が現れたんだ、そして町の人は逃げた。それが今も続いてる。だけどね怖いのはそれだけじゃないの。本人は自分が吸血鬼だと知らない。だから、真夜中人々を血を欲したように狂人となり殺しにくる。二重人格だとも町の人に言われてる」
と、佳音瑠が話した。それはそれはとても信じ難い話だった。
都市伝説とでも語り継がれたものとでも言おうか。奇妙な話。
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