4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、そんなにですか?」
「いや。20とは言っても、さっき言っただろう? 最後のほうは皆一杯か二杯で終わってしまったと」
度肝を抜かれた俺はグラスを持ったまま彼を見つめる。そうは言っても、彼は合計して何リットルのアルコールをその胃袋に収めたのだろうか?
それに、彼らは酒をなんだと思っているのだろうか。水代わり、などといってタンブラーに日本酒を入れて出勤していそうだ。しかし、それではただのアルコール中毒患者だ。
「まだだよ、森田くん。完全に驚くのはまだ早い」
酒匂氏は人差し指をメトロノームのように左右に傾ける。勿体ぶる雰囲気が憎い。
「なんですか。まだ何かあるって言うんですか」
「そうだよ。まだある。寧ろここから、宴も酣(たけなわ)に向かっていくというわけだよ」
最初のコメントを投稿しよう!