さいごの、ちょっとした幕間のようなもの

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さいごの、ちょっとした幕間のようなもの

「ということは、優勝したんですか」 「まぁ、そういうことになるのかね」  酒匂氏は嬉しそうに、通算七十三杯目となる小さなグラスを傾ける。そのときの様子を思い浮かべているのだろう。 「しばらく、尿意が治まらなかったがね」  付け足すように言うと、また笑った。そこで襲ってきたのが吐き気ではないあたり、流石と言うべきなのだろう。 「結局、優勝が私で、二位が神酒村さん。五連覇はならず、ということさ。もう一躍英雄になってしまったよ」  それはそうだろう。向かうところ敵なしだった人に、さらに創立者のような人を加えて、さらにその彼らを押しのけて優勝してしまうのだから。 「他の皆さんの体は……?」 「ああ、それなら心配御無用だ。四人とも五分くらいで立ち上がったからね。……いや、一人は気持ちよくなっちゃったみたいで、札幌駅に戻るまで眠りこけていたかな」 「また駅に戻ったんですか」 「ああ、そりゃあもちろんさ。ただ、戻ってからが大変だったんだがね」
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