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旧北海道庁赤レンガ庁舎の前を通り過ぎると、次第に高度が上がってきました。そして、電車は私が見慣れた高架線へ乗り入れました。程なくして再度減速をした電車は、札幌駅零(ぜろ)番線に到着しました。
いつもと同じような階段を下りると、既に地上コンコースは真っ暗になっていて、簡易式の照明がちらほらと点いているだけした。営業はすべて終了してしまったようで、我々の帰宅方法はタクシーを残すだけとなっていたようでした。
やはり名残惜しさがあるもので、私は神酒村氏や宴多氏、さらに香織嬢も含めたメンバーと幾つかお話をしました。その日一日の付き合いではあります。しかし、ほぼ一夜を、大好きな酒と一緒に過ごしたのです。ある同盟を結んだような気分になりました。
しかし、いよいよ別れの時間が迫ってきていました。
『これで暫くはお別れだ』
『また会えるのを楽しみに待っているよ』
口々に黄雲会の皆さんが私に惜別の辞をくれました。最後に神酒村、宴多両氏と握手をして、
『それでは!』
途端、宴多氏が右手を高々と掲げ、パチンと指を鳴らした瞬間でした。
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