伯楽一顧亭にて

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 とにかく、早く身体を温めたかった。  そんな切なる欲望が身体の何処かからかあふれ出していたのだろうか。  先ほどの飲み屋を出てから3分ほど歩いた頃である。高層ビル群の隙間に――いや、それにしても、あまりにも隙間すぎる。喩えて言うなら、箪笥と壁の隙間のような、それくらいの隙間に、ぼんやりと光るものを見つけた。冬の風に押し戻されながらも何とか近寄ってみれば、それは看板である。
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