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第一話
歌え詩人達よ 無限の信頼を分かち合う幸せを
そして 無限の愛への果てしない道程を
Chapter1
「何故、貴様はこんなところで寝ているんだ?」
抑揚のある深く低い声が、唐突に彼女の耳に飛び込んできた。飛び上がるように跳ね起きた娘が、声をかけた主の姿を見て息を呑み、色を無くす。
「も………申し訳ございません!」
緑色の美しい髪と、その髪の先に咲きほこる香り高い花、抜けるように白い肌、その人間ならぬ娘は、木々の精霊、ドリアードもしくはドリアッドなどと呼ばれる美しい種族だった。薄く豪奢なケープを、下着と見紛うばかりの肌も露わな服の胸元でかき集め、微かに震えながら、娘は声をかけた男の足下に身を投げかけた。
「どうかお許し下さい!」
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