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「皆さんが入力し終えたのを確認しました。それでは引き続き、アンケートにお答えください。時間は20分です。それでは始めてください」
画面を見るとアンケート画面に変わっていた。「はい」か「いいえ」の2択問題のようだ。
『甘い食べ物が好きだ』『友達は10人以上いる』『SNSをやっている』・・・なぜこのような質問なのか分からなかったが、僕は特に深く考えずに「はい」「いいえ」を選択していく。
けれど、30問目のところで僕の手は止まった。僕はその質問に対してどう答えたものか悩んだ結果、「はい」を選んだ。
50問目、最後の質問は『このアンケートの答えに対して、嘘は一切ついていない』だった。僕はちらっと2人を見た。時間的にもそろそろ50問目にいっているはず。やはり2人とも僕と同様、手が止まっていた。意を決したように、30歳くらいの男性の手が動き、そして止まった。おそらくどちらかを選び終えたのだろう。その後、もう一人の女性も入力を終えたのか、電子パットから手を離した。僕は30問目を見た。どうしても、30問目が気になってしまう。
「まもなく終了です」
受付の女性の声に促され、僕は手を動かした。
『僕は嘘をついていない』
僕は50問目を「はい」と選んだ。
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